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優しい色味の「ヘムロック(ベイツガ)」名前の由来や特長
樹種について
ヘムロックとは、アメリカやカナダなどに自生する「ベイツガ」のこと。
日本にもツガ(栂)という近い仲間が生えており、私たちの暮らしともなじみ深い樹木です。
一方で、「ヘムロック」という名前の由来は意外にも有毒植物。
「毒」と聞くと不安になりますが、樹木に全く毒性はなく、木材としても安心して使える素材です。
今回のコラムでは、樹木としてのヘムロックの分類や特長をひも解きながら、なぜ内装材として選ばれているのか、木材としての魅力にも触れていきます。
ヘムロックってどんな木?

ヘムロックは、日本でもなじみ深いマツの仲間で、ツガ属に分類される針葉樹です。
まずは、樹木としてどのような存在なのかを見ていきましょう。
ヘムロックの分類
ヘムロックは、マツ科のツガ(栂)属に分類されます。
世界には、少なくとも10種類以上のツガ属が存在するといわれており、アジアや北アメリカ、カナダなど比較的限られた地域に分布しています。
特長的なのは、ツガ属が世界のほぼ同じ緯度帯に生息していること。
これは、低温で湿気のある気候を好む性質によるものだと考えられています。
また、「ヘムロック」という名称は、特定の一種を指すものではありません。
北アメリカ大陸に自生するカナダツガや、イースタンヘムロック、ウエスタンヘムロックなど、複数のツガ属をまとめた呼び方です。
こうした背景から、日本では「ベイツガ」とも呼ばれています。
日本のツガとヘムロック(ベイツガ)の違い
日本でも、ツガは古くから建材に使われてきました。
生息地は福島県以南で、山の斜面などのやや乾燥した場所に多く見られます。
特に関西地方ではなじみ深い木材で、「トガ」と呼ばれることもあります。京都周辺では評価が高く、富裕層の邸宅などにも使われてきました。
そんな日本のツガとヘムロック(ベイツガ)は、遺伝的に近い関係にあり、生物学的には類縁種(るいえんしゅ)と呼ばれる仲間です。
外観や材質はよく似ていますが、ヘムロックのほうが日本のツガに比べて、やや柔らかい傾向があるなど、細かな違いもあります。
名前にまつわる意外な話|有毒植物との関係
ところで、ヘムロックの名前の由来をご存じでしょうか。
この名前は、有毒植物である「ドクニンジン(英語名:hemlock)」に由来しています。
とはいえ、樹木のヘムロックとドクニンジンは、まったく別の植物。
名前の由来になった理由は、葉をすりつぶしたときに感じられる独特の香りが、ドクニンジンに似ていたためだといわれています。
樹木のヘムロックに毒性はないため、木材として利用する際も心配はいりません。
安心して使える素材であることは、長く建材として使われてきた歴史が物語っています。
木材としてのヘムロックの特長

ヘムロックは、木材として日本にも多く輸入されてきました。
ここからは、木材としての魅力を知りましょう。
使い勝手がよく、天然木ならではの個性も
木材としてのヘムロックは、全体的に白っぽく、やわらかな色合いが特長です。
柾目の割合が多く、すっきりとして上品な印象を与えてくれます。
主張しすぎないため、空間を選ばず合わせやすいのが魅力。
ナチュラルな内装から、和室など落ち着いた雰囲気の部屋まで、幅広い空間になじみます。
とはいっても、決して個性のない木材というわけではありません。
天然木ならではの個性もしっかりと備わっています。
ヘムロックの魅力はふたつあります。
ひとつめは、複数の木材を並べたときに生まれる、やさしい濃淡。
一枚一枚の色味の違いが重なり合うことで、単調にならず、自然な表情のある空間に仕上がります。
ふたつめは、「かすり」と呼ばれる木肌の表情です。
「かすり」とは、木肌に現れる黒っぽい線のこと。これは成長期のキズによるもので、その木が時間をかけて大きく成長してきた証です。
人の顔に個性があるように、木材にも個性があります。偶然出会った木の個性をお部屋に取り入れられるのは、天然木を使うときならではの楽しみといえるでしょう。
天井材や壁材におすすめ
濃淡とかすりといった表情をもつヘムロックは、天井や壁材として使うことでその良さがより引き立ちます。
複数の木材を組み合わせることで生まれる濃淡は、天井に使うことで空間に奥行きとメリハリをプラス。
視線が自然と上に抜け、心地よい空間を演出してくれます。
また、壁のアクセントとして使うのもおすすめ。
人の目線に近い位置だからこそ、「かすり」などの木肌の表情をじっくり楽しむことができます。
一枚一枚異なる表情が、空間にさりげない個性を添えてくれます。
もう少し具体的なイメージを持ちたい方は、北欧の森の商品紹介ページでも実際の使用事例を掲載しています。
木材が空間に与える雰囲気を、ぜひ写真で確かめてみてくださいね。
ちなみに、ヘムロックの価格帯は中級程度。
手に取りやすい価格帯でありながら、最高級材ほど構えずに使えるのも魅力のひとつです。
濃淡が生む表情やかすりの個性に惹かれた方には、ぜひ選択肢に加えてほしい木材です。
私たちの暮らしとヘムロック
このコラムで、ヘムロックの魅力を感じることはできたでしょうか。
分類や名前の由来、木材としての特長などを知ることで、これまでなんとなく知っていた木にも、違った印象を持つかもしれません。
日本では、木材として身近なヘムロック。ナチュラルな空間づくりを考えるときに、そっと寄り添ってくれる存在です。
内装材選びに迷ったときは、選択肢のひとつとして手に取ってみてはいかがでしょうか。
北欧の森編集部
国内外の木材を扱うECショップの運営チームとして、樹種ごとの特徴を紹介しています。
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