【30%OFF】イノヴァ―フロアセール開催中


お問い合わせ
お見積り


専用金具
購入


お部屋
実例

日本の森林伐採の状況は?現状とこれからの課題

木の現在2024.1.18

日本は世界有数の「森林大国」で、国土の2/3が森になっています。
しかし国産材の利用は全体の約4割で、ほとんどを輸入材に頼っているのが現状。森林の豊かさに全く比例していません。

これほど木材資源に恵まれているのに、国産材の割合が増えないのはなぜなのでしょうか。
今回のコラムでは、日本の森林伐採の現状とこれからの課題をお伝えしていきます。

日本の木はどのくらい伐採されている?

積まれた丸太 加工前の丸太 北欧の森

世界で森林破壊が心配されるなか、日本での木の伐採数は年々減少しています。
「伐採しすぎて、木が育っていないからでは?」と思うかもしれませんが、日本の人工林には伐採時期を迎えている木が多くあります。

「資源にできる木はたくさんあるのに、放置されたままになっている」
これが日本の現状です。森林資源量の目安を差す森林蓄積の割合は、1966年から2022年までの56年間で約3倍に増えています。

国産材が減少している理由

トラックに積まれた丸太 丸太の運搬 林業 北欧の森

森林が豊かな国であるにもかかわらず、なぜ伐採されずに放置されているのでしょうか。
理由は“コストの高さ”“林業の人手不足”が関係しています。

木の伐採にはコストがかかりすぎる

国産材を伐採し、そのまま国内で使うほうが費用はかからないイメージがあるかもしれませんが、木の伐採には多額のコストがかかるのです・・・

まず、木を伐採するためには森を切り開いて、道を作る作業から始めなければなりません。そこから木の伐採と、運搬、加工までしていると、作業時間と多額の人件費に多額の費用がかかります。

木材へと加工するまでのすべての工程にかかる費用を加味すると、輸入材のほうが費用を抑えられる。これが日本の森林伐採数が減少している1番の理由です。

林業の担い手がどんどん減っている

そしてもう1つの理由が、林業の人手不足です。
住宅業界と同じく、林業も作業者の高齢化が深刻な業界で、現役を引退する作業者が増え、人手不足が慢性化しています。

若者世代が林業に就かない理由に関係しているのは、作業内容に対する給与の低さです。
林業は身体を使うだけではなく、就業中のケガが多い職種でもあります。しかし就業10年以下の場合は、平均手取り年収200〜300万円と決して高収入ではありません。

作業に見合わない給与の低さ、これが林業の人手不足の原因と言えます。

伐採量が減少することで起こる環境問題

土砂災害によって削られた森 自然災害 北欧の森

「木が伐採されなければ、森が増えて環境が良くなる」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。伐採量が減少することで、逆に環境を悪化させてしまう可能性もあるのです。

たとえば地球温暖化や土砂災害などは、間伐が行われないことで発生リスクが高まります。理由を見てみましょう。

地球温暖化

「森林が増えれば酸素の排出量が増え、地球温暖化を食い止める」というのは、周知の事実です。しかし意外と知られていない事実もあります。

二酸化炭素を取り込んで酸素を排出するのは樹齢の若い木のみで、樹齢が高くなるにつれてだんだんと二酸化炭素の吸収量が減り、排出する酸素よりも呼吸に使う酸素のほうが多くなっていくのです。

そのため、伐採されずに放置されている木が増えると、酸素の消費量も増え、地球温暖化を防止する効果は薄れてしまいます。

土砂災害

適度に間伐されている森は、日光が地面まで届いて植物が育ち、地面は頑丈になります。一方で日光が入らないほど木がびっしりと生えている森は、地面の植物が育たず、生物も寄り付かなくなってしまい、地面は瘦せてしまいます。

痩せた地面は地盤も緩くなるので、大雨が降った際に増水に耐えられなくなり、土砂災害が起こってしまうのです。

日本の林業におけるこれからの課題

ドローンで地面を撮影する様子 スマート林業 北欧の森

伐採数の減少に伴う森林蓄積の増加、比率が増えない国産材・・・
これらを解消するには、どのように林業を変えていく必要があるのでしょうか。

日本における林業のこれからの課題は、生産と流通のコストカットです。輸入材に頼っている大きな理由が“コストの低さ”なので、国産材を低コスト化することで少しずつ輸入材から国産材へとシフトしていく必要があります。

そこで注目されているのが、ICTやロボットを駆使した「スマート林業」です。これまでの林業では実際に人が森を歩き、どの部分を道にして、どの部分の木を伐採するのかを決めていました。

しかしスマート林業では、それらの工程をすべてロボットやシステムに任せます。
ドローンを使って地上から撮影、コンピューターに落とし込むことで立体画像化し、どのように道を切り開いて伐採すれば最も効率的に作業が進むのかを計算します。

木の伐採後に現地で行うカットや運搬もロボットに任せれば、さらに作業効率は上がるでしょう。
これまで人がこなしていた作業をロボットが行うことで、タイムパフォーマンスの向上はもちろん、人件費も削減することができるのです。

さらにしかしスマート林業にもネックがあり、それが導入費用の高さです。ロボットの購入やそれに対応したシステムの導入、機器の購入などに5,000万円〜1億円ほどの費用がかかります。簡単に用意できる額ではありません。

国からの支援や、導入費用を支払える企業の林業への参加などが、これからの林業の課題となっていくでしょう。

あわせて読みたい
日本にはどんな木が生えている?多く植えられているのはどんな木?
世界にはどんな木が生えている?世界三大銘木とは?
「F☆☆☆☆」の目的や対象は?認定商品なら本当に安心?
木材価格はまだ高い?ウッドショックの今とこれから